将棋電王戦プレマッチ・米長永世棋聖VSボンクラーズ

来年の1月14日(土)に開催される将棋電王戦のプレマッチ対局が、将棋倶楽部24で行われた。


持ち時間が15分秒読み30秒という条件もあり、ボンクラが有利な環境でしたが、結果も圧勝で、さすがという感じだった。



将棋の内容としては、注目の米長2手目の奇策は62玉だった。

これに対しボンクラーズが68飛と四間飛車に構えたので、普通の四間飛車VS糸谷流右玉の戦いとなったが、これは、飛車先不突、34歩の省略により後手米長が得したように思える。


もしボンクラーズが3手目に26歩と突いたらどうなっていたのかは気になるが、それよりも、なぜ「68飛」という手を選択したのかが興味深い。

また、「62玉」などという一見意味不明の手に対して、ボンクラーズがバグして意味不明の手で返さなかったのは、ソフトの実力を証明することとなった。



2手目、3手目の報酬の後は淡々と駒組みが進んでいったが、ボンクラーズは15手目に77桂と跳ねるなど、かなり攻撃的な駒組み。



その後、桂交換した後で「75歩」と突いて手が好手だったように思う。

対する83金がどうだったか。「74歩」と歩をとられて、金銀一枚が取れれる形になり、ここで先手ボンクラーズがリードしたと思う。

ただ、ここで83金に代わる手が難しいことも確かで、友達推奨の64銀左は、25飛、32金、74歩で、同銀には75歩があるので、やはり先手のほうがいいと思う。


結局、銀と歩+桂の交換になった。

先手からは、41銀という手が見えているが、すぐに行うと、31金、23飛成、51玉という受けがあり成立しない。


そこで、その手順を成立させるためのボンクラーズの指し手が衝撃的だった。

まず、銀を繰り出していき、「65歩」と合わせの歩で攻めていく。
これに同歩では、同銀(同飛もありそう)で、74歩〜73銀と64歩の垂らしの両狙いがきつそうなので、74歩で耐えるが、64歩の取り込みから64銀とゴツク打ち、金に銀をぶつけ、金を質駒にしてから41銀と打ったのがうまい手順だった。


前述した31金〜52玉の受けには64銀と金を取り、32金という手があるのでつぶれ。

本譜も似たような感じですすみ、つぶされてしまった。





この対局を見る限り、ボンクラーズの攻めをつなぐ技術は完全にプロレベルまで達していると感じました。

以前はソフト=終盤力という感じでしたが、今は中盤力もそうとうなレベルになっています。


本番はどうなるかわかりませんが、やっぱりボンクラーズ有利でしょうね。



ただ、今回のプレマッチで得したのは米長永世棋聖のほうです。

今回の結果をもとに、さらにボンクラーズ対策を進めていくと思いますし、本番は持ち時間3時間なので、これは米長有利にはたらくと思います。



将棋電王戦は今後の将棋史に残るであろう大勝負。
白熱した熱戦を期待したいと思います。